「自分で動いて」
「ぅえ、やっ やだっ……」

薄暗がりの室内は、カーテンは完全に締め切られて蒸し暑い。そんな所に、二つの影。

軋むベットに座る田島と三橋の姿。

俺、怒ってんだけど



「じゃ、もう三橋とやらなーい」
「なっなん、で 意地悪っ」

既に涙でぐしゃぐしゃな三橋の顔。頬を膨らまして外方を向く田島を縋る様に見詰める。
二人は衣服を纏っていない。座る田島に跨る三橋。それは、事情の最中だと容易に見て取れた。

「三橋が俺に黙って泉と手ぇ繋いでたからだろ?」
「あっ、アレは 手相を みて、くれるって…だか、ら」
「だからって手ぇ握らせるの?」
「う、お…」

真剣な田島の視線に、三橋は困った様に眉を下げ、下を向く。

「俺、怒ってんだぞ」
「ごっ、ごめっ…」
「ほらぁ、早く動いてよ」
「っひぁ…!」

三橋の肩に噛付く仕草。それに反応する、三橋の体。熱が集中するそこが張り裂けそうなほどに痛い。

我慢の限界。
早く気持ち良くなりたいけど、だけど怒っている田島君は本当にこれ以上はしてくれないと思う。

「う…動く、ね…」

ゴクリと生唾を呑んで、三橋はゆっくりと自身を持ち上げた。





「んっ…は、あっ…」

ギシギシとベットが鳴って、荒い息遣いに、甘い吐息。

「はっ…ヤベッ気持ち良い」
「ぅ、あぁっ…俺、も 気持ち いい」

時折聞こえる水音はぐちゃりぐちゃりと卑猥に響いて、それだけで田島のそれは大きさを増していく。

「ふぁっ…あっ…」
「三橋っ」
「ああぁ、ぁ…や、あっ」

始めは完全に三橋に任せていたけど、気付けば田島が腰を支えて、三橋を揺さ振る。
上へ下へと激しさを増して、完全に力が抜けたらしい三橋。倒れないように、田島にしがみ付くので精一杯。

「ッ、駄目だっ…」
「ひぁっ…?!」

ボフンッ!
スプリングが大きく跳ねて、三橋は急な視界の変化に驚きで目を丸くしていた。

「この方が、もっと三橋を感じれる」
「田島、くん」

見詰め合う二人。
それは、簡単に言えば正常位。
振れるだけのキスをして、そのまま首へ胸へとキスを落とす。三橋の肌には薄桃の花が浮かび上がった。

「にひッ、俺のもんって印付いたぞ!」
「うおっ!?」
「もう駄目だかんな。ウワキは」
「う うん!しない よ!!」
「よし。じゃ、褒美をやろう」

嬉しそうに田島が笑って。ペロリ、鎖骨を舐め上げて。

「ああぁっ、あっ……んんっ」

ギシギシ。
再度、部屋に響き渡った喘ぎ声。

「あぅっ、んああぁ…」
「三橋っ、気持ち良いか?」
「はっ、あ…良いっ、気持ち、良いっ」

激しい動きに取り残された、三橋の足。揺ら揺らと揺さ振られ、宙を彷徨い、零れる蜜はシーツに染みをつくっていった。

「なぁ、キスして」
「あぁっ…はっう…」

完全に頭が真っ白な三橋は田島の言った言葉に、ほぼ無意識ながらも手を伸ばす。
ガシリ、田島の首に手を回し、喘ぎに乾いた唇を宛がう。
貪る様に重ねあって、角度を変えて。田島の舌が三橋の口内へと割り入る。三橋もそれに答えるように絡ませて、

「んんっ、ふぁっ…」

漸く離せば、透明の糸が綺麗に二人を繋いでいた。

「あ、ぁっ…」

段々と激しさを増す動きに、熱が一箇所に集中する。

「ぅ、あぁっ…た、田島、くん も、ダメッ」
「俺も…出る」

二人でいこうな。
田島は耳元でそう言って、深く浅くを繰り返し。ギリギリまで自身を引き抜くと、一気に奥まで貫いた。

「ふあっ、あああぁぁあぁっ…!」
「ッ…!」

鼻に掛かった、高い声。三橋は勢いよく白濁を零す。それと同時に、田島も三橋の中へと欲を吐き出した。



はぁはぁと荒い息遣い。火照った体を冷ますため、二人はベットに横たわったまま。

「田島君…もう、怒って ない ?」
「おう。もう怒ってないぞ」
「良かった」
「でも、また俺が怒ったら三橋が動くんだぞー」
「うえっ…やだ…」
「嫌なら俺を怒らせなけりゃいいんだからな」
「そっか。分かった、よ。俺、田島君怒らせ ない!」

未だ疲れ果てて動かない体だけど、自然と出し合った手を握り、にっこり笑顔を眺めて。
気付けば二人は夢の中。幸せそうに、寝息を立てていた。




END

田島の嫉妬は可愛いくも恐ろしい。



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