「みっはしーー!!!」
部活の始まり、今日も元気にアイツが駆けて来る。
「田島、くんっ…」
呼ばれて振り返って、瞬間飛び付いて押し倒してきた、
俺の…大好きな人。
ずるいひと
「三橋っ、おにぎり食うか?」
「う?おにぎり……た、食べるっ!」
あの日から、田島はほぼ毎日おにぎりを三橋にプレゼントしていた。
「うまいか??」
「うんっ」
「そうか!うまいのか!!」
「ぅう?……うんっ」
「そうかそうか」
「……??」
何時もとはちょっと違うそのノリに、三橋の頭上には?マークが浮かび上がった。
表情こそは何時も通りなんだけど、なんか……何かを訴えかけてる様な……。
三橋はパクパクとおにぎりを頬張りながらも、ジッと此方を見ている田島の考えを必死に模索してみる。
――!
と、答えは案外簡単に出てきた。三橋はゴクリ、喉を一回鳴らして田島へと視線を向ける。
「お…おにぎり、食べる?」
自分が食べていたおにぎりの半分を差し出す。
三橋が辿り着いた答えとは、田島君もお腹が減っているんだ!と、単純明快なもの。
「いらなーい」
「え……お腹…減ってないの?」
「減ってない」
「た、食べない…の?」
「食べるよ」
?????。
えっと……意味が判らないですけど。
「じゃ…半分こ…しよ?」
「俺が食べたいのはおにぎりじゃないの」
「……じゃ、なに?」
その言葉を聞いて、ニタリと田島の口端が吊り上った。
「俺が食べたいって言ったら、三橋くれるの?」
「え…ぅ……うん」
何を言いたいのか判らなくて。それでも、いつも自分の為におにぎりを持って来てくれる田島君の為にと返事をした。
「た…田島、くん……何食べたいの?」
取り合えず聞いてみる。すると、チョイチョイと顔を近づける様にとの指示。
三橋はそれに従って、前屈みに近づいた。
そのまま手を耳に当てられ、ふ、と掛かる息に全身が震えた。
「あのな、俺が食べたいのは……」
「うん…」
「三橋」
えと、言葉が理解できません。
田島君あなたは一体何を言ってるのデスカ??
――バンッ。
カチャ――……。
「た、たたた田島…くんっ?!」
急な展開に、俺はただうろたえるしか出来ないでいた。
それも当然の事。
あの台詞の後、田島君は突然『ちょっと三橋と話しあるから、暫く抜ける!!!』たったそれだけを皆に告げ、俺を引き摺りココに連れて来たんだ。
「三橋、大好き」
「ちょ、まっ…て」
首筋に何度もキスを落とされて、其れだけで膝がカクカクと震えた。
「なに?」
「なに、って…な、なん…でココに…入った、の?」
「ココ?」
そう言われて、田島君は不思議そうに俺を見てきた。
だって、ココは…ト、トイレな訳で…しかも、個室で…。
「何でって…えっちするため」
「え、ええええええエッチィィ?!?!?!」
「わっ、馬鹿声がデカイっ」
慌てて口を覆われて、暫くの間は俺が落ち着くまで田島君はただ待っていてくれた。
「田島、くん…エッチはダメ…だよ」
「何で?」
「だって…」
今から練習が始まるのに…。
そんな事、田島君も判ってるはず。な、なのにエッチしようだなんて……。
「三橋はいいひとじゃないの?」
「え?」
「俺には何もくれないの?」
「ぅう…」
捲し立てる様に早口でグイグイと詰め寄られて、とうとう三橋はおれてしまった。
「い……痛く、しな……いで…」
ニヤリ。田島は至極満足そうな顔で三橋を見下ろした。
「ん…はっ……た、田島 くんっ」
クチュリ、クチュ。個室に響く、水の音。
「や、そこ…やだぁっ」
クチクチ、クチュ。
その音は段々と速さを増して。
「はっ…あぅっ…ぁあっ」
漏れる声も十分に蜜が篭ってきた。
「三橋のココ、俺の欲しいって締め付けてんぞ」
「や、だぁっ…ああっ」
「ほら、指じゃ足んないってさ」
「ひぅっ…んあっ」
便座の蓋に両手を置いて、田島は後ろから覆いかぶさり、三橋の下口を解していた。
身を捩る度にカチカチとベルトが鳴って、そこに気が集中すれば恥ずかしさでどうにかなってしまいそう。
「はっ…はや く…た、田島くん、の……」
「俺の欲しいの?」
コクコクと何度も首を上下する。
「じゃ、俺を食べて下さいって言って」
「っ?!」
「早く〜。止めちゃうよ?」
「っっい、いじわ る…」
田島君はずるいよ。
俺が限界なの知っててそんな事を言うんだ。
いいひとなんて全然違う。
ほんとうは、ずるいひと。
俺を俺じゃ無くさせる、凄いひと。
敵わないって知ってるから、意地なんて張らないんだけど。
「お…俺を……たべ て…くださ、い」
「――良く言えました」
ズッッ―…。
「ああっ!っ……ふぅっ、んあっ」
背中にキスをされ、直後に指を引き抜かれた。それと同時に挿入された、指以上の質量。圧迫感に息を呑むが、初めての行為ではないのが救われた。
ゆっくりと息を吐き、吸って。
田島も初めは動かさずに、徐々に奥へと入ってくる。
「あっ、はぁっ……」
「っ…動くよ」
合図と共に腰を掴まれ、ギリギリまで引き抜かれ。
「ぁああぁあっっ…!!」
一気に奥を突かれた。
何度も腰を打ち付けて、皮膚の弾く音が耳に響いた。
喘ぐので必死な三橋は、揺さぶられ突かれて、瞳から口から雫を零していた。
「あっ、ひぁっ…あっあっ…」
「ッ…キツ……」
激しい動きに三橋の腕がついていけなくなってきて、力が抜けて腕が徐々に曲がっていく。
すると、便座のカーブが汗で濡れた手を拒むように滑らせた。
「っあ…!」
「っと、危ねっ」
ガシリ、咄嗟に田島の腕が回される。しっかりと三橋の上半身を支え、倒れない様に包み込んだ。
それでも動かす腰を休めずに、深く、浅くを繰り返し。
「ひっ…あぁっ……も、だめぇっ…」
「く……俺も」
熱が出口へと集中し始める。
後は一気に打ち込んで、欲を吐くだけ。
ハァハァと荒い息遣いが響いて、最後、奥を突いた途端三橋の声が一際高く跳ね上がった。
「ああぁぁぁっっっ…!!!」
ドクドクと白濁が勢いよく飛び出し、その締め付けで田島もほぼ同時に中へと欲を流し込んだ。
事情後、息の荒い三橋は便座へと腰掛けて、ふと田島を見上げた。
手があって表情が判らない。
ボーっとした頭で眺めていた。
そして、よくよく見れば何かを舐めている。
「っ!!」
それは、先程出したばかりの自分のそれで。
「た、たた田島くんっ……汚、いっ!!」
「ん?」
ペロペロ。
手首に流れた液まで綺麗に舐めて。
「ごちそーさまでした!」
田島はニヒッと子供の顔を見せた。三橋はアワアワと頬を赤らめるだけ。
それを暫く眺めていて、田島はそのピンクの頬にキスを落とした。
「三橋はいいひとだな」
「ふえっ」
「また、いいひとやってな」
「――ッ///」
脱力で動かない体。
力が入らない下半身。
今からの練習は出来そうも無い。
きっと阿部君に叱られる。
でも、それでもちっとも辛くない。
だって、田島君が笑ってるから。
俺がいいひとすれば、喜んでくれるから。
田島君は本当にずるい。
それでも、大好きが止まらない。
END
今度は青姦ネタで書いてみたい。
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